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地獄への待伏せ

製作:1951年
原題:The Bushwhackers
監督:ロッド・アマトー
出演:ジョン・アイアランド、ウェイン・モリス、ローレンス・ティアニー、ドロシー・マローン、ロン・チェニー・Jr、マーナ・デル

 我が国の公開は昭和32年だったようですが、小生は当時は見ておりません。しかし、二、三日前に、ネットで見せて貰いました。南北戦争終結後、南軍兵士だったジェファーソン・ウェアリング(ジョン・アイアランド)は、人々が武器を取って殺し合うのに嫌気がさし、二度と銃で人を殺すことはしないと誓って、平和な場所を求めて短銃も持たず、丸腰で西に向かいます。

 しかし、そんな理想的な土地に行き着くわけもなく、ジェフはミズーリ州インデペンデンスの近くの小さな町で、大地主が入植者たちを迫害している抗争に巻き込まれます。自分も痛めつけられ、大地主批判の論陣を張る地方新聞の老編集者のシャープが、大地主の子分に殺されるに至って、ジェフはついにガンベルトを着け、入植者たちを率いて立ち上がり、大地主の配下が攻めて来る裏をかいて、待ち伏せで彼らを全滅させ、老新聞編集者の娘のキャシー(ドロシー・マローン)と結ばれます。

  ガンスリンガー役の方が多いんじゃないかと思われるジョン・アイアランドが、この映画では「私は銃は嫌いだ」などと言っているのが面白いですね。ウェイン・モリスはB級西部劇スターの一人であり、ここでは町の保安官ですが、どうもこの物語では傍観者に終始した感じで、ピストルも撃たず終いでした。

 ローレンス・ティアニーはスコット・ブラディの兄で、デビューは「デリンジャー」などのギャング系だったと思いますが、いくつか西部劇にも顔を出しましたね。この人は名うての喧嘩好きだったようで、スクリーンの外では酒場の殴り合いで警察のお世話になること数知れず、大学生の顎をぶち砕いて90日間刑務所入りしたこともあるかといえば、酒場の喧嘩で刺されたこともあるそうだから、根っからの暴れ者なんですね。晩年は丸禿げでしたが、「レザボアドッグス」の撮影中には、タランティーノ監督と殴り合いになりかかったそうだし、関係者によれば「75才になっても酒場で一番のタフガイだった」というから、まあ、あまり係り合いたくない人物ですね。

 ロン・チェニー・Jrの演じるボスは盲目で、「白昼の決闘」のバリモア老のように、車椅子から子分に命令する老人です。チェニーは前年の「真昼の決闘」でも座ったきりだったから、この時期、本当に車椅子の生活だったのかな、と一瞬思いましたが、考えて見れば、もっと後の映画で歩き回っていたから、車椅子はたまたまこれらの作品だけのようです。

 マーナ・デルというブロンドのグラマー・ガールがチェニーの娘のノーラ役で、当時活躍した女優さんだそうですが、彼女の役柄はガンベルトを着けて馬を乗り回し、父親譲りの人殺し好きという、困った人種です。

 ピストルを構えたドロシ・マローンに、ジャック・イーラムが愛想笑いしながら近づく場面があります。実にいい笑顔なんですが、マローンは気に入らなかったようで、イーラムはあっさり撃たれます。映画開始後45分ほどの箇所ですから、作品を通しで見る気のない人も、この画面一杯のイーラムの笑顔のクローズアップだけはお見逃しなく。

投稿:ポルカドット | 2010年5月 5日 (水) 19時13分

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コメント

 投稿時に、この作品をストリーミングで見せてくれているサイトのURLを書いておいたのですが、ブログに書き込みされると見当たらなくなったので、下記しておきます。

http://www.eztakes.com/store/watch/The-Bushwackers-Watch-Movie.jsp

投稿: ポルカドット | 2010年5月 9日 (日) 22時29分

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