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決断の45口径

製作:2008年
原題:Acen'n Eights
監督:クレイグ・R・バクスリー
出演:キャスパー・ヴァン・ディーン、ブルース・ボックスライトナー、アーネスト・ボーグナイン、ウィリアム・アザートン、ディアドレ・クィン

DVDジャケットのポンチョに2挺拳銃のガンマン、半分他からパクったような邦題を見て
てっきりマカロニウエスタンかと思いましたがさにあらず、鉄道敷設に乗じて一儲けを企
む町の有力者と土地を守ろうとする住民との争いと云う西部劇定番のお話しをあくまで
もオーソドックスに描いたある種懐かしい雰囲気さえ漂う本格B級西部劇、2008年の
新作です。

無法者一味の1人ルーク(V・ディーン)は、リーダー、テイトの極悪非道振りに嫌気が
差して足を洗い、プレスコット老人(ボーグナイン)の牧場で地道に働くようになるが、
鉄道敷設予定地の地上げを行っている町の有力者ハワード(W・アザートン)が土地を
売ろうとしない住民達をテイト一味を雇いインディアンの仕業に見せかけて殺したうえで
土地を奪うと云う強硬手段に訴え始め、プレスコット老人にも危機が及んできたことから
再び銃をとりかつての仲間と対決することとなる…と云った平凡なストーリーながら、B
級西部劇らしく90分程度に短くまとめてある所為かテンポよくけっこう楽しめました。
オールドウエスタンファンにとっては捻りに捻った今風の大作よりもよっぽどいいんじゃ
あないでしょうか。銃声も昨今流行しているしょぼいリアル音ではなく昔聞きなれたもの
ですしね。

私が一も二もなくこの映画を借りたのは、キャストの中に「アーネスト・ボーグナイン」
の文字を見つけたからです。なんと当時91歳ですよ。まだ元気でいてくれたんですね。
すっかり好々爺の顔になってはいましたが、我々団塊の世代のおじさんには涙が出る
ほど懐かしい、ジャック・イーラム、ネービル・ブランド等とともにスクリーン上で悪逆の
限りを尽くした、憎々しいけれど姿が見えると安心する、そんな存在なんですよ。

中でもボーグナインは角を付ければノーメイクで鬼そのもの(「魔鬼雨」で見事に証明)
とにかく物凄い面構えでした。悪役としての私の一押し、西部劇ではありませんが浮浪
者の親玉L・マービンと渡り合うアルドリッチの「北国の帝王」の列車の鬼車掌など思い
出深いキャラクターは数知れず、「ポセイドンアドベンチャー」等のパニック物、「地上
より永遠に」「特攻大作戦」等の戦争物、「バイキング」「バラバ」等の時代物から「ガ
タカ」等SF物までジャンルを問わず印象的な役どころをこなして来ましたが、主戦場は
勿論西部劇、クーパーのパンチで酒場の外まで飛び出してぶっ倒れた「ヴェラクルス」
S・ヘイドンに外で殴られて酒場に戻ってからぶっ倒れた「大砂塵」など思い起こせば
キリがありませんが、彼の生涯ベストと云われれば、アカデミー賞の「マーティー」では
なく迷わず「ワイルドバンチ」のダッチをあげますね。時代に取り残されたアウトローの
生き様を哀感込めて描いたペキンパーのこの大傑作も彼なしで語ることは出来ません。

W・ホールデン演じるパイクとの男の友情、常に1歩下がったところから黙ってホールデ
ンを見守る姿は、それまでの悪役から一皮向けて見違えるように引き締まった面構えと
ともに私の胸に深く刻み込まれました。ラストの銃撃戦、重傷を負ったホールデンに彼
の名を呼びながら走り寄り自らも撃たれてしまうシーンは何度見てもジンと来ますね。

ところでこの「決断の…」の監督と主演者はいずれも近年のB級アクションではお馴染み
の顔だと云うことですが、脚本のデニス・シュリャックは我等がイーストウッドの傑作
「ペイルライダー」の脚本を担当した人だそうでビックリです。本作と余りにレベルが違い
過ぎますからね。よく見ると両方とも共同脚本の1人なのでどんな役割を果たしたのか
知りたくなりました。

投稿: ウエイン命 | 2010年5月12日 (水) 19時09分

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