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ビッグ・ケーヒル

公開:1973年アメリカ
原題:CAHILL:U.S.MARSHAL
監督:アンドリュー・V・マクラグレン
出演:ジョン・ウェイン、ジョージ・ケネディ、ゲイリー・グライムス・ネヴィル・ブランド

 ジョン・ウェインの西部劇でも保安官を演じた映画は意外と少ない。戦前はいざしらず、戦後は「リオ・ブラボー」「勇気ある追跡」の2本、そしてこの「ビッグ・ケーヒル」。(この後、ルースター・コクバーンの続編を撮るのですが。)
 
 仕事に邁進して家庭を還り見ない、仕事一徹の連邦保安官を演じます。その為息子達は親の気を引くために悪党の銀行強盗に加担しするのですが、この悪党ども牢屋に入っていてケーヒルの下の息子を上手に使い完全犯罪をもくろみます。銀行強盗はうまく行くのですが、手順が狂い、町の保安官と助手が死にます。加担した上の息子も下の息子も事の重大さに次第に後悔し始めるのですが、奪った金を下の息子が隠す役目を担っているので、牢を出た悪党どもに付け狙われます。

仕事を終え町に帰って来たケーヒルは、上の息子とコマンチの酋長を連れ犯人を逮捕に出発するのですが、山中で別の盗賊を捕まえた時、息子の様子に訝しさを感じるのです。
その頃、町では下の息子が悪党どもに金のありかを吐けと脅かされているのでした。
 
 ケーヒルは山中で捕らえた盗賊どもを町に連れ帰り、彼らは絞首刑を宣告されます。しかしケーヒルはこの盗賊たちが本当の犯人とは思えず、コマンチ酋長に息子達のあとを付させます。果たしてこの盗賊たちの運命は?、そしてケーヒルは息子達の危機を救えるのか?。

 息子達には「男の出発」のゲイリー・グライムス、「11人のカウボーイ」のクレイ・オブライエン、この兄弟を操る悪党のボスにジョージ・ケネディ、その他ハリー・ケリーjr、ハンク・ワーデン、デンバー・パイル、ローヤル・ダノ、ポール・フィックス、ウェイン一家総出演で見ていて楽しい、チャック・ロバーソンも1シーン貰っている。スタントのジェリー・ガトリンもウェインの最初の見せ場、ガン・ファイトであっさり殺られてしまうが顔をだしているね。

 思えばデュークと監督のアンディ・マクラグレンとの付き合いも長く、遠く「静かなる男」に遡る。そしてアンディとのコンビのこれが最後となりました。P・ボクダノヴィッチの「ハリウッドインプレッション」は映画の裏話が沢山載っていて面白いのですが、その中のジョン・ウェインの話、先ごろ放映された「ディレクティッド・バイ・ジョン・フォード」、彼がこのドキュメントを撮る際、ウェインにインタビューに行ったときの事。ボクがデュークに尋ねます。「マクラグレンと組む際、いつもマクラグレンの演出を(デュークが)演出しているという巷の噂は本当か」と問いただしたそうです。そしたらデュークは助言はするがボスが2人ではまずいと答えるのですが、彼はボクの連れている撮影スタッフに「ライトをどけろ」とか「もっと高いイスを」「石像をこっちへ」とか指示を出し始めたそうです。そしてそれを面白そうに見ているボクに気付き、「そうか」とウェイン。「すまんな、アンディ」と言ったそうです。

そういえばケーヒルの衣装はルースター・コクバーンの様だし、ロバが撃たれ下敷きになる処は「勇気ある追跡」の様だ。これもウェインの演出によるものですか?

 「ビッグ・ケーヒル」は私が銀幕で見た最後のジョン・ウェイン西部劇です。

投稿: ママデューク | 2010年3月26日 (金) 16時36分

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コメント

この映画が作られたのは1973年,それから30年後の今年2003年DVDが発売され、久方ぶりに観直すことが出来た。
監督アンドリュー・V・マクラグレン,主演ジョン・ウェイン,バドジャック・プロ制作にによるウェイン最晩年の西部劇である。
公開当時はまだ若く、元気なウェインの残像が強かったせいもあり、老いたウェインの姿を見るのが心情的につらくもあり,私の中で本作の評価は決して高いとはいえない。
しかし,ウェインの死後30年近くの年月が流れた。晩年の太った,豪放磊落ウェインを最早安心して見ていられるようになった.見ている私自身も子供を持ち,年取ったのである。
この映画のテーマは仕事が人生の一部というくらい任務に忠実な保安官と,父親失格だと反抗する息子たちとの衝突というまことに現代的なものであって,私自身も身につまされるものがある。もちろん,これは現在だからこその感覚であり,公開時にはオープニングの5対1の撃合いにウェイン健在なりと喜んだものである。
心ならずも銀行強盗の一味に加わった息子たちに父親である保安官がどう対処し,事件を解決するかが本作の主線ではあるが、もうこの頃から作られることの殆どなくなった西部劇として多くの魅力も発見できる。
それは懐かしい西部の風景であり,町並みであり,その雰囲気でもあるのだが,より素晴らしいのは今では得がたい役者達なのだ。
第一に心優しくかつ小ずるい悪役ジョージ・ケネディが「エルダー兄弟」以上の存在感を示す。また、なつかしフォード一家のハリー・ケリー・JR,ハンク・ワーデンの姿も見られる。デンバー・パイル,ロイヤル・ダーノ、ジャッキー・クーガンといった脇役陣も充実している。忘れられないのはウェイン保安官の友人兼スカウト役のネヴィル・ブランドである。白人との混血のコマンチ役だが相変わらずの悪漢面と悪口に思わずニヤリとさせられる。戦いの前に「(ウェインが)死ぬ前に日当5ドルくれ」といったり負傷して「コマンチとしては痛くないが,半分白人の方としては痛い」などとぼけた味を出していました。
そうそう,息子役のゲイリー・グライムスやその弟(名前は失念)役もなかなかの好演で役者ぞろいの映画でもある。また,名台詞も多く,「子育てに言い訳はない」「保安官の仕事は仕事ではない.人生の一部だ」息子へこれだけは約束してくれと「Don‘t rob banks」等など色々と楽しめる。
馬上のウェインが(ストリート・オブ・ラレド)を歌うなんてシンギング・カウボーイ以来ではないでしょうか?
[2003年7月17日 12時52分9秒]

投稿: J.W. | 2011年7月16日 (土) 20時52分

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