ワイアット・アープはジグで踊ったのか?
「荒野の決闘」のダンス・シーンといえば有名なので、既に見たことがある方には説明の必要もないだろうが、保安官ワイアット・アープ(H・フォンダ)が、クレメンタイン・カーター(キャシー・ダウンズ)と教会へ日曜礼拝に行きダンスを踊るシーンである。
○教会
床だけ出来上がっている教会。祈りをささげている人々。櫓の上で鐘が鳴っている。説教台で一席打つシンプソン老人。
シンプソン「さて皆の衆・・・(中略)・・・ひとつ、ダンスを大いに楽しもう!」と、バイオリンを弾き始める。楽団は老番頭にバーテンのマックたち。青天井の下で人々のスクエアー・ダンスが始まる。朝風にはためく星条旗。手拍子をとる人々。次々にパートナーを変えながら、威勢のよいダンスが続く。
再現!「荒野の決闘」高橋千尋 より
季刊・映画宝庫・第7号「さらば西部劇」1978年・芳賀書店
バンドの構成をみると、フィドル(バイオリン)が2人に、ピアノ、ギター(?)、アコーディオン、バンジョー(?)が各1人の合計6人。高橋氏の貴重な採録にもあるとおり、ダンスは男女が4人ずつ向かい合って並んで、一組ずつ踊っていくスクエア・ダンスである。この後、ワイアットがクレメンタインを誘ってダンスに加わるのだが、このシーンで演奏されている曲はというと...
若き日のリンカーンがスプリングフィールドの舞踏室で不器用そのものにメアリー・トッド嬢をリードして踊るジグ(三拍子の軽快なダンス)が、晴れた日曜日の朝、トゥームストーンの町に初めて建てられる教会の床の上で保安官ワイアット・アープがクレメンタイン・カーター嬢を相手に踊るものと同じであるのは、単なる偶然の一致ではない。
「ジョン・フォードを読む」リンゼイ・アンダースン著・高橋千尋訳 より
ブック・シネマテーク7 1984年・フィルムアート社
ジグらしいということは分かったのだが、曲名は? 映画オリジナル曲なのか?伝統曲なのか? アメリカ・ルーツ・ミュージックなのか?アイルランド(その他)の曲なのか? どなたかご存知だろうか?
■2007年1月11日追記
拙サイトの常連さんより情報をいただき曲名が分かりました。
“Oh,Dem Golden Slippers” James A. Bland 1879年作
※allmusic.comで一部聴くことが出来ます。
更に「世界のフォークダンス②アメリカ編」によると...
ゴールデン・スリッパーズ Golden Slippers
とても耳馴れた曲ですが、この曲がパターに適していることは、やって見ればすぐわかる。
とりあげた踊りは、これも大変ポピュラーなもので、特にデモンストレーションやコンペティションに種々の変形で使用されたものである。原題は、“Star like a Vinus star like a Mars”というが、俗称は “流れ星”という。
◆音 楽 2/4拍子
◆主要ベーシック グランド・チューン、スター・プロムナード
◆踊りの構成 前踊り(96呼間)--主踊り(120呼間)--後踊り(96呼間)
世界のフォークダンス②アメリカ編・スクエアダンス より
(社)日本フォークダンス連盟編・不昧堂出版
ワイアット・アープがクラントン一家とOKコラルで決闘を行ったのが1881年。年代的には、トゥームストーンでワイアット・アープがゴールデン・スリッパーズを踊ったとしても不思議ではないわけだ。さて実際のところ、ワイアット・アープ保安官はトゥームストーンで踊ったのだろうか? (^_^ゞ
ところでもうひとつ疑問が...この曲(2/4拍子)は、ジグ(3拍子)?
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